3つの秘策
昨年の春頃、ある採用担当者から聞いた一言が、今でも私の胸に深く染み付いています。「正直、退職してしまった新入社員を見ると、心が痛みます」。短期離職に対する無力感と、改善の難しさが滲んでいました。
新卒、中途採用とも、年々人材確保が困難になるなか、採用後の定着支援にも力を注がねばなりません。そこで今回は、最新のデータを基に「社員の定着力を高める秘訣」をご紹介します。
- 新入社員の早期活躍を後押しする
新入社員研修は、入社後3ヵ月以内に集中的に実施するのがベストです。研修期間中からOJTを導入し、現場に溶け込めるよう工夫しましょう。研修で使う教材にも気を配り、タブレットなどのデジタルツールを活用して、学習者がイメージしやすくする工夫をするのがポイントです。 - 上司のマネジメント力を磨く
新入社員が会社に定着するかどうかは、上司のマネジメント次第だと言っても過言ではありません。研修を通じて、新入社員の特性を理解し、適切な指導ができるよう意識付けを行うことが大切です。異動や昇格に際しても、マネジメントスキルを評価基準に入れるなど、全社を挙げて風土醸成に取り組むべきでしょう。 - インターナル・ブランディングを強化する
社員の誇りや帰属意識を高めることも重要です。社内外に向けて自社の魅力を発信する「インターナル・ブランディング」を強化しましょう。社員の声やエピソードを活用したり、先輩社員の働き方を生々しく紹介するなどして、一体感や親しみやすさを醸成することが効果的です。
厳しい採用環境が続く昨今、採用のみならず定着支援にも注力し、良質な人材を長期的に確保することが、企業の将来に大きな影響を与えます。社員一人ひとりの活躍を全力でサポートする。この想いを込めて、ぜひ上記の施策に取り組んでみてください。